暦の上では、もう秋なんですよね🍁
朝晩がようやく涼しく感じるようになったとは言え、日中はまだまだ30度を超える暑さが続いていますが、皆さま体調など崩されていませんか?
夏の疲れが出やすい頃です。無理をせず休息や栄養をしっかり摂ってお過ごしくださいね。
最近患者様との会話でよく話題になるのが大阪万博のお話です!「万博行って来たで!」「歩き過ぎて腰が痛いわ〜」「普段歩かへんのに2万歩くらい歩いたからか膝が痛い」などと症状を訴えられる方もいらっしゃいます。クリニックですから、もちろん体調が悪くて来院されるわけですが、「長生きしたないなぁ」と口にされる方がいて…。ふと「健康寿命」と言うワードが頭をよぎりました。
◎健康寿命って?
健康寿命とは「健康上の問題で、日常生活が制限されることなく、生活できる期間」とされており、日本は平均寿命(0歳における平均余命)が、世界トップクラスと言われている一方で、健康寿命との間に約10年の差があり、この差が「不健康(健康に生活できない)な期間」であるとされ、を短縮することが重要です。
〜健康寿命を延ばすためには〜
◎「血管年齢」を若く保ちましょう!!
健康に生きるためには、血管が健康な状態を保つことが重要です。
血管年齢を進めてしまうということは、動脈硬化が進行するということです。
動脈硬化が進行すると、将来に心筋梗塞や脳梗塞などの病気を発症するリスクが高くなってしまいます。
脳梗塞を発症してしまうと、半身麻痺などの大きな障害を残す可能性があります。
心筋梗塞も、心臓に大きな障害を残す可能性がありその後に心臓のポンプ機能が大きく低下してしまう可能性があります。
つまり、動脈硬化が進んでこれらの病気を発症すると、その後に元気に生活することが難しくなってしまったり、たくさんの薬を飲まないといけなくなったり、入退院を繰り返したりと、その後の人生を大きく障害してしまう可能性があります。
では、血管を若く保つためには何が重要なのでしょうか?
まずは血圧をしっかり管理することが重要です。
高血圧は血管に大きなストレスを与えて動脈硬化を進展してしまいます。
あと、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)をできるだけ低くコントロールする、タバコを吸っている人は禁煙する、ウォーキングなどの運動をする、糖尿病のある人はしっかりコントロールを頑張るなどが重要です。
日常生活では、減塩を心がける・お酒を飲みすぎないようにする・睡眠をしっかりとる・運動習慣をつくる・揚げ物やバター、マーガリンを多く含むパンやお菓子を控えるなどが大切です。
「なかなか運動なんてできない!!」と思う方も多いと思います。
ランニングをする必要はなく、日常生活で通勤でできれば駅まで歩く、買い物に行く時はできれば歩く、エレベーターやエスカレーターは使わず階段を使うなどを心がけるだけでも大きな差になると思います。
できるだけ歩く努力を普段からしておくことが非常に大切だと考えられます。
◎筋肉がとっても大切です!
一生歩いて生活するためには筋力がとても大切です。
「血管年齢を若く保つ」ことにもつながりますが、筋力を低下させないために普段からウォーキングを行うことがとても重要です。
さらにはラジオ体操、スクワットなどの筋力トレーニングなども重要です。
食事については、炭水化物ばかりになっていませんか?タンパク質をしっかり摂取することが重要です。
魚、お肉(できれば油分が少ないもの)、お豆腐や納豆などの大豆食品などをしっかり摂取することも大切です。
しっかり運動してバランス良い食事をしっかり摂取することがとても大切です。
高齢になって筋力が低下してしまうと、転倒リスクが高くなってそれこそ歩くことができなくなり、急激に筋力低下が進行してしまいます。
歩行ができなくなると、座ることも困難になり最後は食事を飲み込む力も低下してきてしまいます。
そうなると誤嚥性肺炎という肺炎を発症してしまい一気に身体が弱ってしまいます。
高齢者になるまでに、筋力をしっかり維持しておくこと「貯筋」がとても大切です。
高齢者になってからも転倒に気をつけてしっかりウォーキングやラジオ体操・スクワットなどの運動を行うことがとても重要です。
1人だけで運動を継続することはとても大変なことですので、お友達やウォーキングの会、夫婦などグループで運動を続けて行くことが長く継続する助けになります。
適度な運動は、ストレス発散になり精神的な面でもプラスになることが報告されています。
健康寿命を伸ばすためにもぜひ運動をして、筋肉を蓄えることで健康寿命を伸ばしましょう。
◎骨を丈夫に保ちましょう!
寝たきりになってしまう一つの原因は、骨粗鬆症からの骨折です。
骨折により長期安静や手術などしばらく歩けない状態が続くと、筋力が低下してそこから寝たきりになってしまうことがあります。
骨密度をしっかり保って骨折しにくい丈夫な骨を保つことも、健康寿命を考える上では非常に重要です。
骨密度の測定にはDEXA法が良いとされています。当院でも検査は可能です。
背骨(腰椎)と足の付け根(大腿骨近位部)のレントゲンを撮影することで正確に骨粗鬆症を診断することが可能です。
骨粗鬆症が進んでいる場合には、内服薬や注射薬など骨を強くする治療法があります。
骨密度を保つためにできることは、運動が大切です。
歩くことで骨に刺激を与えることができ、それが骨密度を保つために重要です。
カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質などを摂取することも重要です。
ただ、一度骨粗鬆症が進行するといくらカルシウムを多く摂取してもなかなか骨を強くすることは難しく、むしろ過剰なカルシウム摂取は身体に悪影響を及ぼしてしまいかねません。
◎歯を大切にしましょう
健康寿命を伸ばすためには、しっかり食事摂取することが重要でありそのためには「健康な歯」がとても大切です。
また、口の中の菌は血液中に移行しやすいことがわかっており、虫歯や歯槽のう漏などを放置すると動脈硬化が進展するリスクにもなりかねません。
しっかり歯磨きをして、定期的に口腔内の健診・ケアを継続することが大切です。
◎規則正しい生活・バランスの良い食事 が大切です
タンパク質、野菜なども含めたバランス良い食事は健康寿命を伸ばす上で非常に大切です。
暴飲暴食を控えて、適切なカロリーを摂取する、アルコールの飲み過ぎには注意が必要です。
しっかり睡眠をとって規則正しく生活することをこころがけましょう。
タバコを吸っている人は、禁煙も大切です。
そうすることで、さまざまな病気の発症リスクを抑えることができ、健康寿命を伸ばすことにつながります。
スポーツの秋、行楽の秋、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋など自分なりの秋の楽しみを満喫しながら、心も身体も健康でいられるよう毎日を送りたいものです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
看護師 永田でした